ネガティブ情報を採用サイトに掲載する時代へ
2018年05月18日目次
企業が運営する特設採用サイトには、事業内容などの基本情報やその企業が求めている人物像、すでに働いている社員のインタビューなどが掲載されています。
この採用サイトの問題点として挙げられるのが、自社の良いところしかサイトに載せず、悪いところは隠したままにする企業が一定数存在するという点です。
そんな中、正直に自社の悪いところを掲載している企業もありますが、実際そういった正直すぎる採用サイトを就活生はどう見ているのでしょうか?
今回はこの件についてお伝えしたいと思います。
採用サイトの信頼度
どんなに福利厚生や職場環境が整っている企業だとしても、1つや2つは悪いところがあるはずです。
そこを載せずにポジティブなところしかサイトでアピールしない企業は、正直信頼度に欠けると言えるでしょう。
以下、就活中の学生に良いことしか書いていない採用サイトについてどう思うかインタビューした結果です。
- 「どこのサイトも良いことしか書いていない。悪い面が1つもない企業なんて存在しないと思っているので、包み隠さず全部書いてほしい。」
- 「良いところしか書いていない採用サイトは正直信用できない。学生を集めるために悪いことを書けないのは仕方がないことなのかもしれないが、良いところしか書かれていないと逆に不安。」
- 「採用サイトを全て鵜呑みにするわけではないが、ポジティブな面だけを信用し、入社した後にギャップで苦しむことになるのは嫌だ。そのため、採用サイトだけではなく複数のサイトで企業の評判を確認するようにしている。」
- 「サイトに記載された良いところだけに憧れを抱いて入社してしまうと、入社後のギャップに悩みそう。サイト上で嘘をついているわけではないのはわかるが、騙されたと感じてしまうと思う。」
- 「ああいった採用サイトはあまりあてにしていない。自分でOBに確認したり、他のサイトで調べたりしている。」
以上が就活生の、良いところしか書かれていない採用サイトへの意見です。
良いところしか載せない企業は正直信頼度に欠けるといった意見が多数見られました。
ネガティブ情報のある採用サイトの信頼度
それでは正直に悪いところも記載しているサイトについてはどう感じるのか、以下にインタビューの結果を載せます。
- 「入社前にその企業の悪いところを知ることができるのは助かる。それによってエントリーしないという選択をすることもありうるが、入社後すぐの離職につながるよりは良い。」
- 「開けっ広げに何でも記載してくれる企業は信頼できる。」
- 「入社前に悪いところを知ることで、自分がその企業でやっていけるのかどうか覚悟を決めることが出来る。悪いところも記載したほうがいいと思う。」
- 「悪いところも含め、サイトにしっかり載せている企業は風通しが良い印象を受ける。」
- 「就活生だって、どこの会社にも悪い面があることくらいわかっている。就活生の信頼を得るという側面では、やはり悪いところも書くべきだ。」
悪いところを包み隠さずサイトに載せている企業に対しては好印象であるという意見が多数ありました。
就活生としては、あらかじめ悪いところを知っておくことで少しでも不安を減らしたいと考えているようです。
採用のマッチングを最適化する
採用サイトに悪いところを包み隠さず載せることで、企業と就活生の間で円満な採用を進めることができます。
その企業の悪い面を知った上で、それでも入社したいという強い意志をもった就活生がエントリーしてくれるからです。
また、入社後のギャップを減らすことで早期離職を防ぐことが出来ます。
採用サイトに掲載されているポジティブな面だけに憧れを持って入社してしまうと、どうしても入社前のイメージと入社後の現実の間にある落差に落ち込んでしまいます。
自社の良い面も悪い面も理解したうえで入社したいと思ってくれる学生を採用するという面では、やはり悪いところも包み隠さず採用サイトに載せることが重要だと言えます。
就活生が悪いこともよいことも掲載していると感じる採用サイト紹介
採用サイトに良いところも悪いところも掲載していると感じる企業を紹介しますので、ぜひご参考ください。
ソフトバンク株式会社
社員インタビューの内容が詳細で、社員から見たソフトバンクの良いところやこれからの課題も掲載されています。
また、社員150人にとったアンケート結果も就活中の学生の参考になります。
ソフトバンク株式会社:http://recruit.softbank.jp/graduate/
株式会社ディー・エヌ・エー
DeNAの採用サイトには、若手社員が就活中に感じていた想いなどが掲載されていて就活生の参考になる社員インタビューが多いです。
社員の声が詳細に記載されているため、入社後の働いている姿が想像できます。
株式会社ディー・エヌ・エー:https://dena.com/jp/recruit/students/
まとめ 求職者の信頼につながる採用サイトとは
自社のネガティブな面を採用サイトに掲載することで「エントリーしてくれる就活生が減ってしまうのではないか?」と考えがちです。
実際に、良いところも悪いところも包み隠さず掲載することにより、エントリーしてくれる就活生の数が減ってしまう可能性もありますが、それは悪いことではありません。
ネガティブな面を理解したうえで、それでも入社したいという強い想いを持った就活生がエントリーしてくれる可能性が高まるのです。
また、入社前と入社後のギャップを減らすことにもつながり、それにより早期離職を防ぐ効果があります。
採用サイトにネガティブな面を掲載することは、効率的で実りある採用活動を進めるために重要なことだと言えます。